右も左もぜんぶジャングル

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  • 投稿日:2021/5/7
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ア「う~ん、なんか道に迷っちゃったみたい。やっぱり、あそこのセブ〇イレブンを右に行くべきだったかな~?」ラ「…って、そーゆー次元の問題じゃないでしょ!?普通にアレクサンドリア港まで行けば、そのまま地中海を豪華客船で縦断して、レオンちゃんの待ってるマルセイユまでたどり着けたのに、な~にが『アルの名前が付いてる港町でしょ?任せて任せて~♡こっちこっち!きっとこっちが近道だよ!…たぶん』よ!?ぜんぜん方向違いもいいとこじゃない!?いったいどこをどう間違えたら、砂漠からジャングルに迷い込めるのよっ!?あーもーっ!!(怒)」いやいや、そんなの今さらどうこう言っても始まらないし、まずはこの先どうするべきかを考えよう。ラ「そうね、ひとまず現在地は…太陽の高さからするとたぶん赤道付近、おそらくコンゴかウガンダかルワンダあたりのどこかだとは思うけど?GPSが壊れちゃってるから、確かなことはまるで分からないわね」う~む。ともかく現状を確認しておくと、野生のシマウマや野生のイボイノシシや野生のミツユビナマケモノなど猛獣の襲来によって、携帯もカーナビも壊れてしまって役に立たない。しかもこのあたりは、密猟団や反政府ゲリラやイスラム過激派や下着ドロが出没する危険地帯だから気をつけろと、さっき道を尋ねた煙草屋のおばちゃんも言っていた。だが幸い、コイン精米機横の無人販売所で新鮮なキリンやライオンやアフリカゾウの肉は手に入ったから、しばらく飢え死にする心配はないだろう。ということは、水や燃料が尽きないうちに、どこか文明社会の端っこにたどり着かなくてはいけないということだ。ア「飢え死にの心配はないって、つまり、アル…キリンを食べなきゃいけないの!?どうやって食べるの?ハンバーグ?照り焼き?それともお刺身っ!?そもそもキリンって美味しいのっ!?食べられるものなのっ!?」ラ「う~ん。食べたことはないけど、キリンやライオンが食用で乱獲されたっていうハナシもあまり聞いたことないし…たぶん、それなりに不味いんじゃないかしら?」こらこらアルちゃん、食わず嫌いは良くないぞ?チンコだって、最初は痛くてもすぐ大好物になっただろ?ア「う~!上の口と下の口は違うもんっ!…あ、見て見て!お兄ちゃん、あそこ!こんなジャングルの中に、超古代文明の遺跡が!!すごいすごい!なにかお宝見つかるかな~?…あっ!そうだ!あの中ならきっと、吉〇家やマクド〇ルドのお店も入ってるよ!!なんたって、超古代文明の遺跡だもんっ♡」パキッ!(不吉な音)ア「…あ、あれ?あれれ?どうしようお兄ちゃん!?あからさまに怪しいバツ印を踏んづけたら、見るからに危ない邪神像の目が光り出しちゃったよ!?しかも、なんか、赤く点滅する間隔が…どんどん早くなってきてる!?」なるほど、コレはアレだな。お約束通り自爆するか、あるいは動き出して襲いかかってくるか、その手の初見殺しの遺跡トラップに違いない。俺は詳しいんだ!ちゅど~ん!!(対戦車ロケットの着弾音)レ「お~っほっほっ!お助けにまいりましたわよ、モナミ!この周辺一帯は、トレビアン美少女皇帝みずから率いる精鋭フランス外人部隊が制圧いたしました!もうカバの子一匹、モナミに危害を加えさせたりいたしませんわ!!」おお、レオンちゃん!地獄に仏とはこのコトだ!!だけど、どうして…フランスにいるはずのレオンちゃんが、アフリカに!?レ「まったく!このあたくしに待ちぼうけを食わせるなんて、どういうおつもりですの!?マルセイユで待てど暮らせどおいでにならないから心配しておりましたら、リン先生からモナミがジャングルでお困りの様子とご連絡をいただいて、大急ぎでコルシカの第二外人落下傘連隊を率いて飛んでまいりましたのよ!!どうせ、アルちゃんに道案内でもさせたんでしょう?イオ〇モールの中で遭難しかける、アルちゃんの方向音痴を甘く見てはいけませんわ!ジャングルにおいでになるなら、あたくしをお呼びになればよかったのです!赤道アフリカは、フランスの裏庭なのですから!!」ん?なんでリンが、連絡を?…まあ、イイか。ありがとう、レオンちゃん!普段は考え無しですぐ突っ走る、その決断力と行動力に頭を抱えていたけど、今は心から感謝するよ。うん、レオンちゃんは命の恩人だ♡レ「も、もうっ!モナミったら♡お礼でしたら、ベッドでたっぷりうかがいます♡三日三晩、寝かせてもらえるなどとは思わないで下さいましね♡」ああ、それくらい、助けに来てもらったんだから覚悟の上だけど…ナニか食うもの無いかな?さすがにイボイノシシの肉は固すぎて、どうにも歯が立たなかったんだ。レ「お任せあれ!キンシャサ空港に皇帝専用機コンコルドを待機させてありますから、パリまでは超音速でひとっ飛び。夕食は、マキシム・ド・パリでフルコースをご馳走いたしますわ♡」